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基調講演 日本医療福祉政策学会・第9回研究例会にて

開催概要

8月9日(土)、岩手県立大学アイーナキャンパス(いわて県民情報交流センター)7階 学習室4にて、日本医療福祉政策学会 第9回研究例会が開催されました。本例会は、岩手県立大学の杉谷准教授からのご招待により登壇の機会をいただきました。

13:30~17:00のプログラムの中で、坪谷代表理事は、基調講演①「地域から問う医療・公衆衛生」を担当し、45分間お話ししました。

講演内容

講演では、まずACP(Advance Care Planning/人生会議)の重要性について解説しました。高齢化が進む中で、本人・家族・医療者が事前に意思を共有することの意義や、そのプロセスの具体的な進め方を紹介しました。

続いて、高齢化社会で予想される医療・介護ニーズの変化について、人口動態の推移や疾病構造の変化を踏まえて説明しました。特に、今後は「治す医療」から「看取る医療」へのシフトが必要であり、そのために求められる人材や地域連携のあり方について論じました。

また、社会的処方やソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)やコミュニティーナースといった、地域の健康課題を解決する新たなアプローチについても紹介。地域資源の活用や投資型の社会事業の可能性を示しました。

さらに、現場の視点から、医療・介護事業所の経営が極めて厳しい現状にも触れ、人材確保や財政基盤強化の必要性を訴えました。

坪谷代表理事の講演の後に、竹林正樹氏(青森大学)の基調講演があり、休憩の後に、パネルディスカッションとして、佐野亘 氏(京都大学)、井出和希氏(大阪大学)、役重眞喜子氏(岩手県立大学)らからの指定発言・質問があり、その後はフロア含めて、熱い議論が行われました。

おわりに

今回の講演は、現場目線からの医療・公衆衛生の現状報告とあるべき姿の提案と、政策研究者の貴重な交流機会となりました。関東や関西からご参加いただいた学会員(大学教員)だけではなく、岩手県の保健所長や臨床医、この会のことをXで見つけて関東から駆けつけてくれた若手臨床医までおり、多職種の参加者との活発な意見交換が行われました。今後も、地域の現場と政策の橋渡し役として、議論と実践を深めてまいります。