作業療法士会ではの開催は2年連続
6月1日、久慈市で、岩手県作業療法士会久慈支部の主催で、みんらぼカード研修会を行いました(会場:久慈市文化会館 アンバーホール)。
今回は、昨年の一関市での作業療法士向けの「人生会議」研修会につづいての2回目の開催でした。昨年の一関市での研修会の様子はこちらです。人生会議を総説したのちに、リハビリ職がなぜ人生会議を行うのか、どうしたら人生会議ができるようになるかをテーマに、グループディスカッションしました。
研修会前半 〜人生会議の解説とみんらぼカードゲームでの体験〜
今回も、前半では杉山理事が人生会議を総説した後、参加者約20名に、みんらぼカードを用いて人生会議を体験していただきました。参加者の皆さまは、普段の職場でのご活躍そのままに、表現がとても豊かでした。

初対面であっても、カードを通じて、自然と会話が生まれ、さらには沢山の笑顔や笑い、共感がありました。
スタッフの皆さんも、前日の予行演習での体験を生かして、ファシリテーターとして、上手に会話を促していました。このように、自分で人生会議を経験するだけでなく、まわりに広めることも、個人として医療者として大切です。

研修会後半 〜グループディスカッション:人生会議を行うことの意義〜
後半では、人生会議を実践するにあたって難しいと感じることや、みんらぼカードが人生会議の実践につながるかどうか、あるいはそれでも難しいと感じる点などを、グループディスカッションを通じて、互いの意見を交換しました。

研修会のアンケート結果
最後に、主催者である久慈支部が、研修後にアンケートを行ってくれました。その結果は下記の通りです。



また、「研修を通して学んだこと、今後に活かしたいと思うことを教えてください」という質問に対する回答は下記の通りでした。
- みんらぼカードを通して人生会議の貴重な経験ができました。今後に活かして行きたいと思います。ありがとうございました。
- 家族、職場スタッフとも共有したいと思いました。また視点の拡がりとなりました。
- 自分と向き合うのに活用してみたいと思いました。
- 今回みんらぼカードを行ってみて、実際に自分で行うことの難しさを感じましたが、やってよかったと思うことの方が大きいと感じました。人生会議を行う上でファシリテーターの存在も大きかったので、自分自身もうまく会話を促せる技術を身につけていきたいと思います。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
- 対象者に関わるスタッフが人生会議に慣れること、みんらぼカードの項目を常に考えていることが大事だと思いました。タイミングよく目の前の対象者の方に話してもらう準備が大切と思いました。杉山先生ご講義ありがとうございました。
- 利用者様から残りの人生について話題が出たときに、今まではまだまだ元気だから大丈夫など返答してしまう時もありましたが、人生について考えられるきっかけにもなるため、みんらぼカードなど利用しながら話し合っていきたいと感じました。
- 研修を通じて得たことは多く、それらを臨床の中で活かしていきたいと考えました。
- OT以外と使用したいと思います。
- 希望や大切にしていることを丁寧に聞き取り仕事や家族に活かしたいと思います。
- みんらぼカードの導入の仕方、方法を詳しく教えていただき、今後の臨床や自分の住む地域で活用していきたい。
- みんらぼカードが楽しかったので是非薦めてみたいと思います( ´∀`)
- 人生会議は今までは死について考えるようなネガティブな印象を持っていましたが、幸せや希望について考えるとてもポジティブなものだということを知り、見方が大きく変わりました。
- また、カードのような身近なツールを用いることで、構えることなく自分の気持ちを表出しやすいと感じました。実際に体験してみることで、普段意識していない自分の本当の気持ちや考え方を自分自身で意識するきっかけにもなると実感しました。作業療法士として働き始めて、利用者様の本当の想いを引き出すためにはどうしたらよいか悩むことも多かったのですが、ご講義や先輩方との意見交換を通して自分の考え方の幅を広げることができました。今後利用者様と関わる際に人生会議やライフレビューの要素を用いて利用者様の人となりや背景を知り、その方にとって意味のある関わりができるよう努めていきたいと思います。本日はありがとうございました。
- これまでは人生会議に関して死をイメージしてしまうことで、正直自分も他人に対しても進めにくい印象をもっていましたが、そうではなく、カードを使用することであまり意識していなかった自分が幸せになれることや内面との向き合い方、気持ちを表現することで自分の気づきを得られるツールであることを学びました。さらに、それを支援者にも具体的に伝えることがしやすく、ケアを受けたり、お願いする側とのコミニュケーションツールとして簡単に構えないで使用できると思いました。これから、利用者様との関わりの中に、人生会議やライフレビューを盛り込み、その方の生活を支えていけるようにしていきたいって思いました。
上記のような前向きな感想をいただき、講師冥利に尽きる1日でした。主催スタッフの皆様は、お互いにコミュニケーションがとてもよくできていて、仲のよさがとてもよく伝わりました。この協働を活かして、人生会議をぜひ広げていただきたいです。
みんらぼカードの新たな展開
ある参加者は、研修会に先立って、みんらぼカードの存在をすでに知っていて、勤務先の職場において実際に活用した経験を紹介してくれました。具体的には、利用者のご家族に向けて、みんらぼカードの文言リストを提供し、それがケアの満足度向上につながったとのことです。
これは、みんらぼカードの発展的な活用例として非常に意義深く、今後、学会などで事例として報告する予定です。みんらぼとしても、この取り組みに引き続き協力します。
全国縦断マップを更新
今回の研修会開催によって、全国縦断マップがまた更新されました。岩手県内での開催もだいぶ増えてきました。
講演会のご依頼を受け付けています
とはいえ、まだ訪れてない県も沢山あります。ぜひご関心のある個人の方、団体の方は、こちらからご依頼ください。
ご依頼にあたっては、下記もご案内しております。様々に記載していますが、皆様のご予算やニーズを確かめつつ、とにかく私たちは皆様のご熱意を確認したいのだとご理解ください。
(文責:杉山)