2025年3月29日、岩手公衆衛生学会(会場:盛岡アイーナ)で、杉山理事と安田ジュニアフェローが学会発表をしました。
盛岡市中病院における大腸菌のキノロン耐性についての報告

杉山理事は、盛岡医療生協川久保病院における大腸菌のキノロン感受性が80%を下回っていることを、院内のアンチバイオグラムが公表された際に気が付き、過去8年間の大腸菌のレボフロキサシン(最も汎用されているキノロン系抗菌薬のひとつ)耐性の状況を分析しました。
その結果、最近2年間で耐性率が20%を上回っていることと、その耐性に関わるリスク要因として入院歴が挙げられる一方で、検体材料間はリスク要因とはならなかったことを報告しました。一方で、曜日については、火曜日が耐性となるリスクが有意に低いことも示しました。
本研究は、今後論文として公表する予定です。
高齢者施設における結核疑い患者発生時の対応課題

安田ジュニアフェローの発表は、介護施設の入居者が慢性的に咳をしていることから肺結核を疑ったが、その後の対応について、保健所および隔離施設を有する医療機関のどちらに相談しても、当該機関で取り合ってもらえず、地域の結核対策マニュアルを読んでも判然とせず、対応に苦慮した経験に端を発しました(結果的に肺結核ではなく一安心でした)。この経験を踏まえ、厚生労働省をはじめ全国の結核対策マニュアルを網羅的に収集し、テキストマイニングを用いた分析を行ったことを報告しました。その結果、見えた課題として、1)マニュアルが多すぎること(把握した限りでは25件)、2)マニュアル項目において、次の行動を促しているはずなのに、その行動の主語がなかったことが挙げられました。1)においては、厚労省結核感染症課が統一マニュアルを作成し、そのマニュアルの普及啓発を行うことが、2)については、主語を設けることによって、行動に責任を持たせること、を提言しました。
会場の聴衆者は、至急、県内のマニュアルを確認する旨の発言がありました。今後の対応に期待します。
杉山理事が一般演題の座長を務める

また、杉山理事は、岩手公衆衛生学会事務局の依頼を受けて、一般演題後半3題の座長も務めました。中高生における性教育教材に関する公衆衛生活動や、地域リハビリテーションの活動報告、および地域のコホート研究を用いたフレイル調査研究について活発な議論が行われました。
岩手の公衆衛生のこれから
セッション終了後も、演者と有意義な議論を交わしました。
地域の公衆衛生の向上のために、様々な団体とますます連携を強化していきたいと強く願うようになりました。今後も、みんらぼの活動にご注目ください。

文責:杉山