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岩手公衆衛生学会共催 紫波町で行動経済学とまちづくり

イベント

第 34 回岩手公衆衛生学会学術集会を共催しました(主催:岩手公衆衛生学会・学会事務局:岩手医科大学衛生学公衆衛生学講座・会場:紫波町情報交流館2F大スタジオ)。

学会は現地開催とオンライン開催のハイブリッドでした。参加者数は、現地会場56名、オンライン50名超と、ここ数年は平均60名程度(COVID-19流行下では40名程度)であったことを鑑みれば、大盛況に終わりました。以下、要旨を報告します。

学会長講演では

坪谷理事が行動経済学を実践するに至るまでの経緯―幼少期の体験から、ハーバード大学留学時代の理論修得期を経て、オガールで実践するに至るまでのライフヒストリー―を披露しました。今回の学会会場をオガールにした動機も、オガールそのものが行動経済学理論を体現したまちだからでした。たしかに、オガールを歩いているだけで、自然と人とつながり、健康的に意識が芽生えてきます。学会参加者は、そのさりげないまちづくり・デザインを体験していていったことと思います。

基調講演では

行動経済学者YouTuberの竹林正樹氏(青森大学客員教授)のご講演「ナッジで人を動かす」は、語り口と言い、わかりやすさといい、大変引き込まれる内容でした。会場の参加者から大好評でした。

シンポジウムでは

鎌田千市 (紫波町企画総務部企画課長) ―公民連携によるまちづくり・紫波町オガールプロジェクト


星 真土香 (紫波町地域おこし協力隊・コミュニティナース) ―紫波町でのコミュニティナース活動


出野 紀子 ((株)studio-L・帝京大学大学院公衆衛生学研究科)―コミュニティデザインx公衆衛生

の3名にご講演をいただきました。それぞれ、行政・医療者・コミュニティデザイナーの視点から、まちづくりやコミュニティづくりに関わる活動をいただき、公衆衛生活動の視座を広げていただきました。

パネルディスカッションも行いました。会場から沢山の質問をいただきました。竹林教授の行動経済学に関する示唆も勢いが止まりませんでした。

一般演題では

杉山シニアフェローと綿引アートフェローの両名が発表しました。

杉山シニアフェロー「在宅看取りをテーマとした映画の上映や人生会議体験カード(みんらぼカード™)を行動経済学的に用いたアドバンスケアプランニング(人生会議)のきっかけづくりに関する報告―保健師や民生委員など地域ネットワークの活用も含めて」

午前中の竹林教授の講演を意識してプレゼンを開始しました。在宅看取りの映画「うちげでいきたい」の上映会や、保健師の地元ネットワークを活用したみんらぼカード™の体験会を実施するなど、より多様なナッジとネットワークを活用して、人生会議を啓発してきた活動を報告しました。

みんらぼカードは情報交流館受付で手にとることができます。ぜひご覧になってください。

綿引アートフェロー「北上市における緩和ケアの実態把握調査:岩手県立中部病院緩和ケア病棟における鎮痛薬の使用量の年次推移とペインクリニック専門医の役割に関する分析

岩手公衆衛生学会の助成を用いて行った研究を報告しました。ペインクリニック専門医が緩和医療にかかわる前後で、オキシコドンの使用量が増加したことを示しました。発表後、多くの聴講者が「とても勉強になった」と感想を寄せてくださいました。公衆衛生学会でありながら、患者の苦痛に寄り添うという医療者共通の課題に迫ったことが、会場の大きな反響を呼んだようです。みんらぼのメンバーを主体とする研究チームは、DPCデータの整備に長年難渋してきただけに、この反響の大きさをとても嬉しく思います。今後、この報告書を学会に提出していく予定です。