在宅看取りをテーマとした映画「うちげでいきたい」の上映会 孫監督と語りました

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在宅看取りをテーマとした映画「うちげでいきたい」を上映しました(会場:紫波町情報交流館)。

在宅看取り—これは多くの方々にとって重要なテーマなのではないでしょうか。
できるだけ多くの方々に映画を観てもらい、人生の最期について考えてもらうきっかけにしてもらいたいという願いから、車いす利用の方の観客席を用意し、聴覚障害のある方のための手話通訳を準備するなどしました。
また、映画にこめた孫監督の想いを通して、参加者の方々と対話する機会もつくりました。
この映画の上映は、東北地方では初となりました。

当日、紫波町内外・岩手県外から、20~70代の幅広い世代の参加者が34名も集まりました。ご来場ありがとうございました。

上映に先立って、ポスターの背景アートをデザインしたアーティストrin氏を会場の参加者に紹介しました。重度の病気を抱えてもなお創作活動に取り組む姿に感銘を受けます。ぜひrin氏の作品に直接触れてみてください。当日はrin氏のご家族および、ご友人とそのご家族も来場なさいました。

いざ上映—。

予告編ー詳細はこちら

上映後、孫監督に映画をつくったきっかけや監督自身の経験をインタビューしました。映画の舞台となった鳥取県・大山町の背景(地理・人口・医療事情)、在宅でのがん患者の看取りに係る監督の経験、8050問題、自宅で最期迎えた住民の家族への聞き取り、約40分の映画撮影に1週間かけたこと、構想の着想から製作完了まで1年かかったことなどを紹介していただきました。

司会の坪谷は、大山町の背景は岩手県・紫波町に似ているものがあり、医療事情についても、岩手県から遠い鳥取県だけの事情ではないことを解説しました。

その後、参加者から質問を募りました。その質問内容と、孫監督の回答の概要は以下の通りです。

●在宅看取りという、一般的には重いテーマにもかかわらず、映画の内容はあっさりしている。自宅で家族を看取った経験がある者の立場からすると、もう少し踏み込んで、在宅看取りにおける本人の不安・家族の苦労を描写するとよかったのではないだろうか。あるいはこれから自分が自宅で看取ってもらいたいときに抱える様々な不安に一つの解をもたらしてほしかった。今回のような映画のタッチにした背景はなにか 
—たしかに、実際の在宅看取りには、きれいごとだけでは済まされない、様々な家族関係・人間関係が存在する。しかし、このように重いテーマだからこそ、映画の中の役者が演技として「演技」することで、観る者に、映画の中の出来事であると認識してもらえるができると考えた。この映像体験をもとに、人生の最期について考えてもらうきっかけができると考えた。

●その一方で、死に至るまでの描写が少なかった。医療者ではない者の立場からすると、ひとはどのように死を迎えるのかが気になる。そうして情報があってはじめて、どのように死を迎えるかという準備ができるとも考えられる。
ーそのような立場もあることを承知している。死の描写を行うと、それは映画ではなく、ドキュメンタリーになる。今回は映画という、監督自身が経験した表現方法で、在宅看取りをテーマに取り上げることにした。
ー(坪谷による解説)人が死に至るパターンは、大きく分けて3つ存在する。より詳しい解説はみんらぼYouTubeでアップロード予定です。

●いままさに老齢になった家族の介護をしている者です。いざ自宅で最期を迎えさせたいと思ったとき、どこの誰に支援を頼んだらよいか分からない。
―地域によって医療事情が異なる。大山町では在宅療養を支援する診療が存在した。一般的には、各自治体の地域包括支援センターに相談するとよいと考える。

●映画という手法を用いたのはなぜか
—昔から映画は娯楽として多くに人々に愛されてきた。わからないことが多い医療や看取りをテーマにした時、この娯楽を活用すると、人々のこころに浸透するのではないだろうかと考えた。

以上のように、映画が参加者の間で大きな反響を呼んだことは間違いありません。それだけ多くの方々にとって関心が大きいテーマであることを再認識しました。

また、いざ自分や家族がこれからどうしたいかを話し合いたくても、何を話したらよいのか分からない時もあろうかと思います。そのような時に役立つのがこちらのトランプカード、

みんらぼカード

です。詳しくはこちらをご覧ください。紫波町情報交流館にサンプルとしてみんらぼカードを置いています。この機会に、多くの方々が実際に手にとっていただいたようです。

この上映会&トークイベントは、めんこいテレビ様も取材に来ていました。後日ニュース放送があるかもしれません。

みんらぼキネマは約4年ぶりに開催できました(第1回はこちら)。映画製作した孫大輔監督や参加者の方々に感謝申し上げます。これからも、みんらぼは、よりよい社会を目指して、社会と医療がつながるような活動を続けて参ります。