坪谷代表理事が、岩手県立大学総合政策学部で「医療政策と人生会議」をテーマに講義を行いました。以下、そのレポートになります。
2026年5月、岩手県立大学 総合政策学部の杉谷准教授にお声がけいただき、公共政策論の授業で講義を担当させていただきました。
テーマは「医療政策は誰が決めるのか? 地域から見る公共政策のリアル」。
これまで研究者・医師として、様々な現場で感じている課題、公衆衛生研究や情報発信の取り組み、そして一般社団法人みんなの健康らぼ(みんらぼ)の活動についてお話ししました。
医療政策は医療者だけのものではない
講義では、
- 医療政策は国・都道府県・市町村で役割が異なること
- 医療制度は「アクセス・質・コスト」のバランスで成り立っていること
- 高齢化や多死社会の進行によって、医療・介護のあり方が大きく問われていること
などを紹介しました。
総合政策学部の学生さんたちにとって、医療政策は必ずしも身近なテーマではなかったとのことでしたが、アンケートを見ると、
- 医療政策について深く考えたことがなかったが、自分や家族が自分らしく生きるために考える必要があると感じた
- 総合政策学部だから関係ないと思わず、幅広く学ばなければならないと感じた
という感想もあり、政策と医療のつながりを感じてもらえたようです。
ACP(人生会議)とみんらぼカードを紹介
講義では、みんらぼが取り組んでいるACP(Advance Care Planning:人生会議)の普及活動について紹介しました。
ACPとは、もしものときに備えて、自分が望む医療やケアについて前もって考え、家族や大切な人と話し合う取り組みです。
講義では、みんらぼカードが「人生会議を始めるきっかけ」として生まれた経緯や、全国での活用事例についても紹介しました。
学生アンケートでは、
- 普段の会話ではしないような死や最期について考える貴重なきっかけになる
- カードゲーム感覚で自然に話し合えるのが良い
- 家族でこのような重い話はしたくない派だったが、自分にも必要なカードだと思った
といった感想が寄せられました。
また、
人生会議というものを家族と実施してみたいと思った
という声もあり、みんらぼカードの狙いである「話し合うきっかけづくり」が、学生世代にも伝わったようでした。
学生たちから学ばせてもらうことも多い
今回の講義では、医療政策や高齢化社会だけでなく、「どんな課題に取り組むべきか」という話もしました。
アンケートには、
- 大人が用意した課題にとらわれなくていい、という言葉が印象に残った
- 自分に関わりのある課題、本当に力になりたいと思ったことに取り組みたい
という感想もありました。
社会課題は教科書の中だけに存在するものではありません。地域の現場に足を運び、人と出会い、自分自身が違和感や関心を持ったことから始まるものでもあります。
私自身も、診療の現場、公衆衛生研究、みんらぼの活動などを通じて、最前線の現場と研究と社会実装をつなぐ役割を担いたいと。
おわりに
今回の機会をいただきました杉谷准教授、そして熱心に講義を聞いてくださった岩手県立大学総合政策学部の学生の皆さんに感謝申し上げます。
医療政策は医療関係者だけのものではありません。
そして人生会議も、高齢者だけのものではありません。
——「自分はどう生きたいのか」「何を大切にしたいのか」
そんなことを考えるきっかけとして、みんらぼカードが少しでも役立てば幸いです。
みんらぼはこれからも、楽しく、前向きに、人生会議(ACP)を広げる活動を続けていきます。
文責:坪谷

