11月26日、登米市の南方公民館にて、市健康推進課が主催する「健康ゆるネット研修会」の一部として、やまと在宅診療所登米と協働して、みんらぼカード体験会を実施しました。
この講演は、ともに管理栄養士として従事している職員お二人からお声がけいただいたことで実現しました。そのきっかけとなったのは、3年前に開催された宮城県栄養士会主催のZOOM講演会です。この場を借りて、ご縁をつないで下さった宮城県栄養士会に深く感謝申し上げます。
今回のケースのように、過去に体験会を通じて得たご縁が、数年の時を経て新たな体験会の開催につながる事例が、ここ最近少しずつ増えてきています。みんらぼの考える「人生会議」が、こうして着実に輪を広げていることを嬉しく思います。
本研修会を主催した健康推進課から、事前の打ち合わせでヒアリングした課題や目的、およびみんらぼカードに期待する想いは、次の通りでした。
人生会議は、将来の医療やケアについて、前もって話し合う取り組みです。
みんらぼカードは、人生会議の本質「自分らしく生きる」ことを考えるためのツールです。
健康推進課では、
自分らしく生きるためにどうしたらよいかを周りの者と話すこと自体が、
⚫︎自身の生活や健康を見直すきっかけになったり、
⚫︎社会参加や地域とのつながりを生み、
⚫︎ひいては健康づくりにつながる
と考えており、そのことを市民に啓発する機会にしたい
この想いに応えるべく、当日は「人生会議がいかに健康と関わるのか」をテーマに講演しました。具体的には、次の点を説明しました。
- みんらぼカードのゲームを通じて参加者が選び出す“自身が大切にしたい“カードは、将来の願いを示しているようでありながら、実は「いまこの瞬間における最大限の希望(“Hope for the Best”)を映し出しています。
- すなわち、参加者はゲームを通じて「いまの自分」を見つめ直していることになります。
- 健康づくりも、「いま」をより良く生きるために実践しています。
- したがって、人生会議の実践は、健康づくりの第一歩になるのではないでしょうか。
さらに、健康づくりの一環とも言える「社会参加」と人生会議の関連についても言及しました。
- オランダなどで提唱されている「ボジティブ・ヘルス」の概念では、健康を形づくる要素の一つに「社会参加」を挙げています。
- したがって、他者との対話を通じて進める「みんらぼカード」は、社会参加を自然に促すという点でも、健康づくりとの親和性が高いと言えます。
参加者は、日頃から市民の健康づくりに携わっている公民館職員や保健師など20名でした。参加者の感想は下記の通りです。
- カードゲームで自分を再確認した。
- 人生とは?の気づきになった。
- 実際に体験をすることができて分かりやすい内容でした。
- 人生会議 初めて体験したので良かった
- 今後の支援に活かしていきたいと思いました。
- とても良い研修会でした。勉強になりました。ありがとうございました。
- 自分がどのように最後をむかえたいと考えているのか、ゲームを体験して何となく分かったような気がします。
- 人生会議ときくと難しいイメージがあるが、みんらぼカードは考えるきっかけのツールとしてとても良いものだと思いました。
- グループの方と話しながら、カードを選ぶことができ、自分が大切にしたいことを改めて意識することができました。
- 自分のやりたいことが多く、家族のことをあまり考えられていないことが、他の人の話を聞いて感じたので家族とも話し合いたいと思いました。日頃、健康相談をする中でも、対象者が「何をしたいのか」を聞き出しサポートができたらと思いました。
いずれの感想も、参加者が有意義な時間を過ごせたことが伺えます。
これからも、みんらぼは、さまざまなご縁に支えられながら、より良く「生きる」ことを考えるきっかけづくりに努めてまいります。
なお、今回のみんらぼカード体験会は、やまと在宅診療所登米と協働して実施しました。

過去の記事でも示したように、同院とは、地域医療をテーマとした共同研究など、さまざまな活動実績を重ねてきました。
上記の登米市長(熊谷前市長)への報告の際には、登米市における人生会議(Advance Care Planning:ACP)の啓発活動の今後の展開についても意見交換しておりました。今回の体験会は、その一環であると位置付けています。
すでに、2026年度においても、登米市と研修会を再び開催する方向で準備を進めております。今後の展開に、ぜひご期待ください。
文責:杉山

