2026年8月11日付の「日報論壇」に、一般社団法人みんなの健康らぼ代表理事・坪谷透の寄稿「高額療養費制度 考え直して」が掲載されました。
高額療養費制度は、医療費の自己負担が一定額を超えた場合に、その超過分を公的医療保険が支える仕組みです。がんや難病などで高額な治療が長期に及ぶ人にとって、治療の継続と生活を支える重要な制度です。
今回の寄稿では、制度改定によって患者の自己負担が段階的に引き上げられる一方、国民1人あたりの保険料軽減効果は月117円程度にとどまるとされている点を取り上げました。広く薄い負担軽減のために、重い病気を抱える一部の人へ大きな負担を集中させることが、公的医療保険のあり方として本当に妥当なのかを問いかけています。
また、医療費を抑えるために、必要な治療を受ける患者の負担を増やすことが先であってはなりません。効果が乏しい、あるいは費用に見合う価値が十分でない「低価値医療」を見直す余地は、日本の医療にも少なくありません。限られた医療資源を、必要性と効果の高い医療へ振り向けることが重要です。
公的医療保険は、誰もが人生のどこかで直面し得る大きな病気のリスクを、社会全体で支え合うための仕組みです。その原点に立ち返り、患者負担の引き上げありきではなく、制度全体の優先順位を丁寧に検討する必要があります。
みんなの健康らぼでは、今後も医療・介護・地域社会の課題について、研究と現場の両方の視点から発信してまいります。
